K2 part3

 バスケットボールの描写なんて.無茶させやがって.

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1980年7月7日 知恵とトモ子とショウと俺と


 1980年7月7日.時刻は16時近く.


「ナオ!,行けェェ!」


 俺はショウからパスを貰うと,右手でドリブルしながらコートを右に進む.


 キュッキュ,キュッキュと,シューズが体育館の床を擦る音が響く.


 迫ってきたのは3年生の先輩の中でも相当実力のある2人.ステップを踏んで左手で壁を作りながら,うまく右にかわそうとする.1人がそうはさせるかと身体を右に倒してくる.そこで右足を踏ん張って身体の動きを止め,無理矢理に左足でステップを踏む.ドリブルのボールを左手で受け,そのまま左側をすり抜ける.


 キュッキュ,キュッキュと,シューズが体育館の床をこする音が響く.


 もう1人の先輩もステップを踏んで交わし,"あと数年すれば,ここからだと3点になるのに"と考えながら,ゴールに向かってボールを投げる.


「ザシュッ」


 ボールがネットをこすり,シュートが決まった.


 今俺は所属するバスケットボール部の部内練習試合に出場中だ.


 実は好きでバスケ部に入ったわけじゃない.知恵がバスケ部に入ったので,変な男から知恵を守るために入部しただけ.だからバスケは中学校入学後に始めただけ.


 もっとも神様からチート能力を貰っているので,中学校レベルの試合なんてどうと言うことはない.だけど年齢に似合わない実力を出して変に思われるのはマズイので,ちょっとカッコ良いレベルに留め,たまにはわざと大失敗もしている.


「今日も結構な活躍だったな,ナオ」


 試合終了後,俺の隣で着替えながら話しかけてくるのは,バスケ部の仲間の佐伯翔(さえきしょう)だ.同じ部で1年以上も一緒だと仲良くなるもんで,さっぱりとした性格や,そこそこの学力,何事ににも前向きにな姿勢が気に入っている.


 将来は俺の托卵計画に貢献してもらおう.


「いやぁ,いつものようにお前の方が目立ってたぞ」

「先輩たち2人を抜いたのは見事だったけれど,どうしてあんな遠くからシュート打つんだ?そういやナオはあの距離から打つことが多くないか?」


 ショウは2年生部員の中ではピカイチの運動神経で次期主将候補.さすがに俺の動きをよく見ている.


 "3点のほうがいいんじゃね?"とも言えないので,


「ゴール下まで行くともっと近くに寄って来くるだろ.汗臭いから嫌なんだ」


 と,言っておいた.


「そんな.相手は守るためだから当然だろうが.でも確かにこの季節はちょっと辛いな」


 今は期末試験が終わった夏休み直前で,気温はともかく湿度が酷い.


 着替えを終えて更衣室を出ると,知恵と友達のトモ子が待っていた.岡田トモ子(おかだともこ)は知恵と同じバスケ部の部員で,知恵の親友だ.


 知恵ほどではないが十分可愛いと言えるだろう.頭が良く運動神経もあって性格がとびきり明るい.クラスの人気者で学級委員長もやっている.


 実は俺に好意を寄せてるんだけど,俺と知恵が恋人同士になる方が相応しいと考えて遠慮しているんだ.知恵の親友と言えど,どんな女なのかをMC使って調べた時にわかったことだ.そしてせっかく俺に好意を寄せてくれているので,托卵要員として頑張って貰う予定.


「お疲れ.今日も2人とも大活躍だったね.さぁ帰ろぅ」

「ナオ,お疲れさま.はい,お茶」


 家の近くの公立中学校と言うことで,4人とも帰る方向はほとんど同じだから,部活後はお喋りしながら帰ることが多い.


 両親は有名私立中学への進学を熱望した.確かに受験すれば受かっただろうが,男子校なので知恵と離ればなれになってしまう.そんなの絶対にダメだ.それに有名私立中学に通わなくても,神様からチートな知力をもらっているので大学進学は問題ない.ということで,この問題は両親にMCを使って片付けた.


「知恵ありがと.2人とも荷物かしな」


 知恵とトモ子の荷物を俺とショウで持ってやる.この時代,学校に教科書やノートを置いて帰宅することは論外.毎日重たい学生カバンを持って登下校するのが普通だが,一日学校で疲れた女に重たい鞄を持たせるなんて考えられない.女を労るのは当前だ.


 時刻は17時を過ぎているが,夏至を過ぎたばかりで夜まではまだ時間がある.もっとも今日は梅雨らしく雨が降ったり止んだりで,空はどんよりしている.幸い,今は傘が要らないが,牽牛と織姫はまた1年間Sexを我慢しなければならないようだ.


「それはそうと期末試験の結果はどうだったの?」


 トモ子の問いかけにショウが,


「中間と変わり映えしねーな.あっ,今回は社会がそこそこできたかな」


 ショウは文系科目が得意で,D組では50人中15番くらいの学力.おっと4人は同じ2年D組だ.ショウとトモ子が同じクラスなのは偶然で,知恵と同じクラスなのは学年主任の先生にMCでお願いしたからだ.


「私も変わらないかな.ちょっと数学がダメだったかも」


 知恵も文系科目が得意で,クラスでは10番くらい,学年では250人中50番以内かな.


「えへへ.今回の私,凄かった!理科が100点!」

「おー,すげー.やっぱ理系」

「へー,すごいねトモちゃん,相当勉強したんじゃない」

「うん.頑張った.他の科目は今までと変わんないけどね」


 トモ子は両親が医者のためか理系科目に強い.クラスで5番くらいで,今回のテストも知恵よりできたようだ.でも知恵のほうが可愛い.


「で,なんで黙ってるの直人君」

「いや,俺は変わり映えしないし」

「あーそーですか.そーですよねー.直人君にはかないませんよー」


 この会話から想像つくように,俺はクラスで1番.学年でも1番か2番.今回の試験も適当に1,2問ミスしておしまい.ちょっと嫌味かもしれないけれど,知恵には俺の魅力を存分に見せつける必要がある.


「知恵,トモ子,わかんないことがあったら教えてやるから,いつでも聞けよ」

「うん,ありがとう.数学のわかんないとこ,今度教えてね」

「どうして俺には何も行ってくれないのかな?」

「お前は自分でSEI!」


 馬鹿な会話をしながら,4人して家路を急いだ.


 さて俺がなぜ中学2年生,14歳の時の話をしているかというと,清く正しい青春群像を味わってもらう為ではなく,もう少し経つと俺の脱童貞,筆おろしの日が来るからだ.


 "いよいよ知恵ちゃんと,童貞処女の初体験か?何という胸熱!"と思った人には申し訳ないが,相手は知恵じゃない.


 前にも話したように知恵にはコクってすらいない.時々熱い眼差しを向けてくれたり,何気なく肌に触れると頬を真っ赤にする様子を見ると,間違いなく俺に惚れている.だが,まだいつも一緒にいる仲良しの友達だ.知恵とのムフフな話はもう少し待ってくれ.


 じゃぁ脱童貞のお相手は誰かと言うと,それは俺のクラスの担任,当然知恵やトモ子,ショウの担任でもある根本祐子(ねもとゆうこ)先生だ.そしてこの根本祐子先生こそ,神様にお願いして仕込んでおいた脱童貞,兼Sexの経験を積むための女なんだ.


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